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特選少佐

これまでの海軍士官の紹介をした書籍にはかなり間違った記載が見られます。そのうちの一つがこの特選少佐のところです。雨倉さんの海軍オフィサー軍制物語や海軍ジョンベラ軍制物語とかは非常に読みやすくかかれており、僕も出てすぐに楽しく読みました。ただ二次資料、三次資料もいろいろ引用している面があり、記載には間違いもかなり出てしまっています。この辺は戦後の資料の散逸もあり、やむを得ない面が多いです。

たとえば特選少佐の人数です。特選少佐とは、特務士官の大尉から、優秀な方が特選されて少佐に進級することができる制度で、少佐になると正規の士官となります。正規となると鎮守府から海軍省に所轄が異動となります。一般の兵からみれば大将に匹敵するようなすごい選ばれた人物となります。戦争により戦死者が増える従って、人数も増えていきました。

雨倉氏の書籍には戦前に約180人、戦中に110人という記載があります。だが実際に特選少佐になった人数は戦前に182人、戦中に995人います(戦死ふくむ)、戦後にはポツダム進級を含め、680人います。(この人数はまだ判明していない分もあるので、少々誤差を含みます)選修学生出身者はかなりの率で特選任用されています。総計1800人程度です。これまでいわれていた数字とだいぶ違います。

中佐まで進級した人も70人います。そのうち現役で中佐になった方は3人。檀原袈裟由、福井幸十、三澤千一の3人です。福井幸十中佐がこれまで酒井常十中佐といわれていた人です。この名前は雨倉さんの書籍の前にも丸の記事で、そうかかれており、それが定説として定着したものと思われます。福井中佐は昭和21年4月まで勤務されており、特選中佐として最後まで海軍にいた人物でした。

ちなみに大正時代までは少尉と同格たる兵曹長から中尉になることができ、その人数も100人ほどいます。

ついでに、特選たる海軍少佐・機関少佐・主計少佐であれば、戦死すればそのまま中佐に進級できますが、官階表で、少佐までしかない衛生少佐・軍楽少佐・衛生少佐が戦死すればどうなるでしょうか?規定通りでいけば、そのままの階級までしか無く、そのままの階級のはずです。ではどうなるかというと、実例が一つだけあります。衛生少佐の一人が比島で戦死した例です。その方は現実には無いはずの衛生中佐に進級されています。この事実も発見した時はびっくりしました。


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コメント

「メールを送信」の機能でメールできないようなので、こちらに投稿させていただきます。
祖父の履歴を知りたくて、横須賀中央図書館での閲覧、国立国会図書館のデジタル閲覧等を行ったのですが見つかりませんでした。
そこでネット検索してみましたら、こちらで「特選少佐」の文字を発見しました。
祖父は終戦時47歳で海軍兵学校に居たようなのですが、詳しいことが分かりません。
国会図書館資料は昭和12年までのもので、しかも士官の名簿なので「特選少佐」では記載がないのか、などと想像しております。
こちらのサイトのDBで検索できますでしょうか。
詳しくはメールでやり取りいたしたく。よろしくお願いいたします。

投稿: みのり | 2016年10月21日 (金) 21時15分

たく様、メールでの情報提供、ありがとうございました。感謝感激です。
こちらのコメントでもお礼を申し上げたく、お邪魔しました。

投稿: みのり | 2016年10月22日 (土) 22時39分

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